住宅ローン金利どう動く
次期日銀総裁の政策カギ
日本銀行の金融政策修正に伴い、新たに借りる人や借り換え時の住宅ローン固定金利が上昇しつつあります。
今春には日銀総裁が交代します。
現状の大規模な金融緩和が転換されれば変動金利も上昇に向かうとの見方も。
住宅ローンは今後どう選べば良いのでしょう。
住宅ローンの種類は大きく3つあります。
「変動型」は、金利の変動に応じて半年ごとに見直されます。
「固定型」は2種類あります。金利を当初10年などの一定期間固定する「期間選択型」と、ずっと変わらない「全期間型」に大別されます。
昨年12月、中部地方の固定金利(フラット35)の水準が前月比0.11%引き上がり1.65%となった。
ことし1月は1.68%、2月は1.88%と上昇が続く。
一方、変動金利水準の約0.57%で横ばいだった。
双方はなぜ異なる動きをしたのか。
それは、影響を受ける指標が異なるためです。
固定は主に、10年物国債の利回りが指標となる「長期金利」に影響を受けます。
一方の変動型は、日銀が市中の金融機関に短期で貸し付ける「政策金利」に左右されます。
固定型の金利が上がる背景には、日銀の黒田東彦総裁が昨年12月、長期金利の上限を従来の0.25%から0.5%程度へと修正したことがあります。
市場はこれを「事実上の利上げ」と受け止め長期金利が上昇。
合わせて、固定金利も上がりました。
一方、黒田氏は短期の政策金利を「マイナス0.1%」で維持し、変動金利には影響が出ませんでした。
ならば現状、変動型がお得なのでしょうか。
家計とマイホーム相談室の草野代表は、「特に中部地区は金融機関の競争が激しく『名古屋金利』と言われるほど金利が低いです。変動が当面は低水準な状態が続く」と認めます。
だが変動の場合、金利がいつ上がるかが気掛かりです。
草野さんは「金利が上がるとしたら、それは景気が良くなった時。景気動向を見極めてほしい」と語っていました。
住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の塩沢取締役は、次の日銀総裁に固まった植田和男氏の金融政策の行方に注目しています。
「植田氏はマイナス金利政策を維持する見通し。変動金利はいずれ上昇する可能性はあるが、当面は低位安定する」と指摘している。
一方で、長期金利に関する政策は変更が予想されるため、「固定金利はさらに上昇する可能性がある。固定型を利用したい人は、早めに借りる方がいい」としていました。
変動か固定か、悩みは尽きません。
留意すべき点はどこでしょう。
草野さんは「家計の収入と返済のパランス、子どもの教育や老後など目先の返済よりも将来を見据えた資金計画を立ててほしい」と語りました。
塩沢さんは「ローンをしっかり比較することと、低金利で抑えた出費は投資に回すなど、将来への備えが大切だ」としました。
2月20日付けの中日新聞朝刊に掲載されていました記事を抜粋してご紹介させていただきました。
全て載せられませんでしたので、次回は続きをご紹介いたします。